GSD350 OmniStar®/ThermoStar®大気圧ガス分析計

インテリジェントなソフトウェア・容易な操作・コンパクトなデザイン・高度なカスタマイズ性を備えた、次世代のガス分析ソリューションです。
特に化学プロセス、半導体産業、冶金、発酵、触媒、凍結乾燥、環境分析に関連したガス分析に適しています。

■GSD350 OmniStar®/ThermoStar®の主な特徴

GSD350_Omnistar_Thermostar

・単体で大気圧ガスのリアルタイム定性・定量モニターが可能
・凝縮性のガスでも良好な検出限界 (< 100 ppb)※1
・最大200℃の加熱式キャピラリーヒーターを装備。オプションで最大350℃に対応
・ベーキング機構付きの全金属性高真空チャンバーにより、短時間で低バックグラウンド測定
・測定対象に合わせて質量範囲(m/z)を選択可能:1~100、1~200、1~300
・電圧可変型EIイオン源(15eV~100eV)
・コンパクトな筐体で移動・設置が容易 (総重量約23 kg~)
・低ガス消費量 (1~2 sccm)
・高速な測定時間 (最小1ms/point Dwell Time※2)
・取り外し可能な7インチタッチスクリーンによる容易な操作性
・測定・分析用PV MassSpec ソフトウェアが標準添付(Microsoft Windows® 10対応)
・PCのブラウザからもWebユーザーインターフェースにより操作可能
・オープンプログラミングインターフェイス対応(JSON API)
・不活性ガスの強制パージ方式による耐腐食性オプションを選択可能
 ※1 質量範囲の機種選択・測定ガス種により異なります。※2 測定滞在時間

・OmniStar® オムニスター

 ・ガス導入部に標準でステンレス製キャピラリーとシャットオフバルブを装備しています。
 ・耐久性の高いステンレス製キャピラリーと、待機時にガス導入を停止出来る組み合わせで、使い勝手の良い構成です。
 ・吸着の少ない一般的なガス(窒素、酸素、アルゴン等)分析に向いています。
  ※ガス種や接続機器に応じてクオーツ製キャピラリーも選択可能です。

・ThermoStar® サーモスター

 ・ガス導入部にクオーツ製キャピラリーを使用し、バルブを伴わずにイオンソースへ接続されています。
 ・キャピラリーとイオン化室がオリフィスのみで区切られた構造で、吸着によるメモリー効果を最小限に抑さえた構成です。
 ・触媒分析での発生ガス中の酸化物測定や、TGA・DTA等の熱分析装置とのカップリングによるTG-MSに向いています。

安全性の高い筐体内一体型システム
GSD350_inside

・電子機器類やベーキングヒータ部が外部に露出しておらず、安全に利用出来ます。またキャピラリー用ヒーターは触れても安全な温度に設計されています。
・停電時のターボ分子ポンプの回生電力による安全な停止や、誤操作による圧力上昇・内部温度上昇・パージガスの圧力モニターなどインターロックが充実しています。

タッチパネル式カラーディスプレイ
GSD350_Panel_UI

・サイドボタン付き7インチの液晶ディスプレイタッチパネル付き。
・マグネットによる着脱が可能で手元で操作。(カールコード有線方式)
・装置の立ち上げから、簡易測定、装置の停止までをグラフィカルにサポート。
・PCのWebブラウザからも同様のインターフェイスで操作が可能。

小型・軽量
GSD350_Dimmension

・最小構成で総重量23Kg~のアルミ製軽量筐体
・キャピラリーヒーターホースは設置状況に合わせて右側面(標準)、左側面、上面の3方向から取り出し可能。
・市販の台車(2段式推薦)等を利用して、移動測定も簡単に行えます。
 ※ターボ分子ポンプ使用のため移動時は装置の停止が必要です。

■多彩なアプリケーションに対応する高度なカスタマイズ性

GSD350 ThermoStar®の動作説明

・ガス導入キャピラリーとインレットバルブの選択

 OmniStar®とThermoStar®は、前者がインレットバルブを内蔵し、標準でステンレス製キャピラリーとしているのに対して、後者はクオーツ製キャピラリーでインレットバルブがありません。
 その為、Omnistar®は凝固性・吸着性の少ないガスの測定に適し、設置の容易さ・物理的耐久性に優れます。
 ThermoStar®はクオーツキャピラリーの直接接続によるメモリー効果の抑制に優れているため、特に熱分析装置や凝固性・吸着性の高いガスを発生するタイプの触媒装置との組み合わせに適します。
 ガス導入キャピラリーと内蔵インレットバルブは加熱・温度制御が可能で、キャピラリー用のヒーターは最大200℃タイプが標準です。
 特に沸点や凝固性の高いガスを測定したい場合は、オプションで最大350℃のキャピラリーヒーターを選択できます。

・質量測定範囲の選択

 大気成分の測定や一般的な排気ガス測定には、m/z 1~100の質量範囲で十分な測定が可能ですが、高質量の炭化水素や、薬品の燃焼ガスなど、より重いガスやその成分を検出する必要がある場合、m/z 1~200もしくはm/z 1~300のマスフィルターを選択出来ます。
 測定質量範囲の拡大は、感度・分解能と相反するため、必要最小限の範囲を選択ください。

・フィラメント材質の選択

 一般的に、大気成分や高濃度の酸素や水蒸気の測定にはイットリアコートイリジウムフィラメントが適し、水素や炭化水素の濃度が高い場合はタングステンフィラメントが適します。
 材質はフィラメントの交換時に変更することもできます。

・耐腐食性オプション

 内蔵された真空排気システムに、パージガスの強制供給方式による耐腐食性オプションを設定できます。
 不活性な窒素ガスやアルゴンガスを強制的にパージ供給することで、腐食性・凝固性の高いガスや可燃性のガスを希釈して外部に排出します。パージガスの供給圧力は常時モニターされ、供給停止時はインターロックの作動により装置は安全に停止します。
※可燃性・爆発性のガス導入についての安全性は保障されておりません。

ご不明な点がございましたら、お問い合わせフォームからご質問いただくか、右のボタンより質量分析計のよくあるご質問-FAQのページをご参照ください。

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