質量分析計-よくあるご質問
本ページの回答は、基本的にQMG250 PrismaProおよび、GSD350 OmniStar/ThermoStarを対象としています。
※以下のQ&Aは簡易的な回答となりますので、ご不明な点・あいまいな点がございましたらお気軽に「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
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質量分析計の選定方法は?(QMG250,GSD350)
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・以下の簡易セレクションガイドをダウンロードしてご参照ください。
イオンソースやフィラメントの選定についても記載されています。
さらに詳しい説明のご要望は「お問い合わせフォーム」ボタンから、お気軽にご連絡ください。
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ソフトウェアは標準で添付されていますか?(QMG250,GSD350)
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・標準でWindows用「PV MassSpec」のフル機能版がご使用いただけます。機器の設定・測定・分析・結果の保存・結果のエクスポート等が可能です。
「PV MassSpec」ソフトウェアは、装置本体には付属しておりませんが、Pfeiffer Vacuum社のクラウドから最新バージョンをダウンロードいただけます。
ダウンロードのURLは各種マニュアルに記載されております。URL・パスワードがご不明の場合は「お問い合わせフォーム」ボタンからご連絡ください。
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質量分析計用のPCの選定について(QMG250,GSD350)
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・標準付属ソフトのPV MassSpecの正式対応OSは、Microsoft Windows®10, 7です。
XP, 2000はサポートされておりません。
Windows 11については基本的な動作は確認されていますが、正式対応のスケジュールは未定です。
・PCの要求仕様は以下となります。
CPU: Intel社Core™ i5 以上もしくはAMD社Ryzen™ 5以上(4GHz以上推薦)
RAM: 8GB (16GB以上推薦)
STRAGE: SSD 256GB以上(500GB~1TB推薦)
OS :Microsoft Windows® 7, 10, 11(対応予定)
Display: 1024x768 以上(FHD推薦)
Interface: LANポート 1ポート(ファイヤーウォールソフトは解除可能なこと)
Browser: Google Chrome, Firefox, Chromium版Microsoft Edge
(Microsoft IE11, Microsoft Edgeの旧版では正常に動作しません。)
※表計算ソフトは無くても使用可能ですが、Exportしたファイルの加工やグラフの作成をする場合はご用意ください。
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Microsoft Windows®11で動作しますか?(QMG250,GSD350)
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・標準付属ソフトのPV MassSpecの正式対応OSは、Microsoft Windows®10, 7です。(2022/12時点)
Windows 11については基本的な動作は確認されていますが、正式対応のスケジュールは未定です。今しばらくお待ちください。
詳細なPCの要求仕様については、別項の「質量分析計用のPCの選定について」をご参照下さい。
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日本語マニュアルはありますか?(QMG250,GSD350)
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・以下の日本語マニュアルがあります。
QMG250オペレーションマニュアル
QMG250クイックスタートガイド
QMG250 WEB-UIマニュアル
GSD350オペレーションマニュアル・さらに各種リファレンスマニュアルもご用意しておりますので、納品担当者にご依頼いただくか、「お問い合わせフォーム」ボタンからご連絡ください。
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オリジナルソフトウェアの開発は可能ですか?(QMG250,GSD350)
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・QMG250についてはAPIが無償公開されており、機器のご所有者は専用のアプリケーションソフトウェアが開発可能です。Web API方式、JSONフォーマット採用の為、豊富な開発ツールをご使用いただけます。
また、GSD350の場合、内蔵されたQMG250質量分析部分については同様にご利用いただけます。
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添付ソフトウェアの説明動画はありますか?(QMG250,GSD350)
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・PVMassSpecソフトウェアの基本的な導入と機能の説明動画は、以下よりご覧いただけます。
1.ネットワーク設定 2.インストール 3.ユニットの登録 4.Scan測定 5.BIN(Trend)測定 左のリンクより、Pfeiffer Vacuum社の紹介動画もご覧いただけます。
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質量分析計(分析管部)の動作圧力は?(QMG250)
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・ファラデーカップ型検出器を使用の際は5E-2Pa以下、EM(2次電子増倍管)型検出器を使用する場合は5E-3Pa以下で使用してください。
また、真空引き後初回点灯時は、-5Pa台以下でのフィラメント点灯を推薦します。・-2Pa台で使用する際は、一部のイオンソースではエミッション電流の設定を下げる必要があります。
・不適切な圧力での使用はフィラメントや二次電子増倍管に損傷を与える恐れがあります。※QMG220(旧タイプ)の場合は、ファラデーカップ型検出器1E-2Pa以下、SEM使用時1E-3Pa以下です。
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二次電子増倍管(チャンネルトロン型)使用時の注意点ついて(QMG250,GSD350)
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・PV MassSpec ソフトウェア内の”Multiplier Voltage”の設定で、二次電子増倍管(Multiplier)に印加する
電圧が設定できます。(デフォルト設定はHardware Configuration 内)・Multiplier 電圧は、信号の安定性を確保するために800V 以上に設定し、イオン電流の最大ピーク値は1E-6A のライ
ン以下になるようにご使用ください。
・Multiplier は使用により劣化していき、通常1300V 前後で安定します。また設定可能な最大値は2000Vです。
・Multiplier 電圧設定の変更には細心の注意を払い、過大な電圧を入力しないように注意してください。
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PCとの接続方法について(QMG250,GSD350)
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・PCと分析計を直接つなぐ場合、LANケーブルはクロスケーブル(付属品:赤色)を使用してください。
(ルーター・ハブ等を介する場合とGSD350への接続は、ストレートケーブルも使用可能です。)
・事前にPC の電源オプションで自動スリープ・休止状態を解除してください。
接続中にPC がスリープ状態や休止状態になると、取得データを消失する場合があります。
・分析計ユニット側のIP アドレスの初期設定はIPv4で192.168.1.100(DHCP-OFF)です。
GSD350内蔵のユニットのPort番号は8080に変更してください。
・PC 側のIP アドレス設定はIPv4固定で固定(192.168.1.xxx、DHCP-OFF)にして接続してください。
(xxxは分析計と異なり、0と255を除いた値です。)
・使用しているファイアウォールソフトによっては、コントローラの発見や接続が出来ない場合があります。
その場合はファイアウォールソフトを無効にするか、アンインストールを行ってください。
さらに詳細な説明をご要望の際は、「お問い合わせフォーム」ボタンよりご連絡ください。
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QMG250使用時の基本的な注意点は?(QMG250)
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・取付フランジ(ICF70,DN40CF)の内径は38mm以上を確保して、イオンソースや分析管を破損しないように慎重に設置してください。
・コントロールユニットの取り付け時は、必ずオペレーションマニュアルを参照し、オリエンテーションに注意して慎重に十分奥まで差し込んでください。差し込みが不十分な場合、フィラメントエラーの発生や信号が出ない場合があります。
・安全のため、十分な真空度の到達(5E-2Pa)までACアダプタをコンセントを接続しないでください。
(QMG250に電源スイッチはありません。)
・フィラメント(Emission)の点灯や増倍管(EM)の電圧印加時は、真空度に問題ないかを確認してください。
・腐食性・凝固性のガスの測定は、フィラメントや分析管の寿命に大きく影響が出る場合があるため推薦致しません。測定する場合は最低限の分圧にて、ご使用者の責にて測定してください。
・真空ベント(解除)は、安全のため必ずACアダプタのコンセントを外し、フィラメントの消灯時点から十分冷却(15~30分)されるのを待ってから実施してください。※上記注意点に真空排気系(真空ポンプ・真空計等)の注意点は含まれません。
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GSD350使用時の基本的な注意点は?(GSD350)
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・装置底面の輸送用のポンプ固定ねじを取り外してください。
(装置のバージョンにより固定ねじがない場合があります。)
・装置本体は十分に安定した場所に設置の上、真空引きを開始後は装置を移動したり、揺らしたりしないでください。
・背面パネルの排気ポートは除外装置等に接続してください。(Φ6㎜ ODチューブ別途)
・耐腐食バージョンでパージガス(シーリングガス)を導入しない場合は、背面パネルのパージガス用の導入ポートを塞いでください。
・フィラメント(Emission)の点灯や増倍管(EM)の電圧印加時は真空度に問題ないかを確認し、インレットバルブ(OmniStar)のオープン時はできればフィラメントと増倍管を一時的に消灯してください。
・ガス導入時の圧力は-4Pa台が正常です。導入ガスは加圧(1.2気圧以下)しないでください。また、液体や粉体はガス導入系の詰まりや装置の故障につながるため、導入しないでください。
・増倍管(EM)は分析チャンバー(Recipient)のベーキング時は必ずをオフにし、十分に冷却されるまでオンにしないでください。
・腐食性・凝固性ガスの測定は、装置全体のメンテナンス間隔や寿命に大きく影響します。ガスの濃度にもよりますが、出来るだけ耐腐食性バージョンを選択いただき、必ず専門知識のある担当者にご相談の上、ご使用者の責にて測定ください。
・いかなる場合も爆発性・可燃性ガスの測定についての安全性は保障されておりません。やむ得ない場合は、防爆ゲージ等をご準備いただき、ご使用者の責にて測定ください。
・真空ベント(解除)は、フィラメントの消灯時点から十分に冷却(15~30分)されるのを待って実施してください。また分析チャンバー(Recipient)のベーキング実施時は、ベーキングの停止時点から少なくとも1時間はお待ちください。
・以下はPfeiffer Vacuum社製GSD350型大気圧ガス分析計(後期型)の基本的な設置方法から起動・停止までの説明動画です。
本動画は後期型を使用しています。GSD350型大気圧ガス分析計の基本説明 目次
00:00 タイトル
00:06 ①輸送用固定ねじの取り外し
00:29 ②ケーブル類の接続
01:09 ③装置の起動
01:35 ④初回起動時の初期設定について
01:39 ‐言語の変更
02:06 ‐圧力単位の変更
02:33 ‐(補足)パージセンサーの無効化
03:03 ⑤真空引きの開始と測定準備
03:50 ‐フィラメントの点灯
04:21 ‐ガス導入インレットのオープン
05:13 ‐二次電子増倍管(EM)のオン
05:30 ‐キャピラリーヒーターのオン
05:48 ‐チャンバーベークヒーターのオン
06:34 ⑥真空引きの解除と装置の停止
06:39 ‐装置の停止準備
07:24 ‐ポンプの停止
08:00 ‐主電源のオフ
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校正は依頼できますか?(QMG250,GSD350)
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・四重極質量分析計は測定環境・測定対象ガスが多岐にわたるため、感度・分圧・イオン化係数等の校正は承っておりません。
校正が必要な場合、実際のご使用の環境に合わせた圧力校正・濃度校正用ガスをご準備の上、ご使用者にて校正を実施してください。
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オーバーホール・メンテナンスの頻度は?(QMG250,GSD350)
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・質量分析計に使用されている消耗部品類(フィラメントや二次電子増倍管)や真空計は、使用する圧力やガス種により使用可能期間が大きく変わるため、使用期間についての規定はありません。
ただし、同時に使用しているポンプ類については、ダイヤフラムポンプで2年以内、ターボ分子ポンプで4年以内を目途にメンテナンスを実施してください。
使用されている冷却ファンのフィルター類については、周囲の環境にもよりますが、1か月程度を目安に清掃してください。
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フィラメントが点灯しません・・・(QMG250,GSD350)
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・以下のステップに沿ってご確認ください。
1. コントローラーユニットは分析管にしっかり挿し込んでありますか。(QMG250)
2. 測定チャンバーの真空度は-3Pa以下ですか?
3. もう1本の予備フィラメントは点灯しますか?
(メニューバーのSensor: Hardware ConfigurationからFilamentを切り替えます。1→2、A→B等)
4. カソード電圧を下げると点灯しますか?
(Tune機能でEmission Currentを100μAに変更して、点灯するか試してください。
点灯した場合、そのまま1時間程度置いてから、数値を徐々に元に戻してください。)
・上記作業で復旧しない場合、フィラメントが切断しているか、イオンソースが過度に汚れている可能性があります。
Alarmタブでエラー内容をお控えの上、弊社サービス・サポートまでお問い合わせください。
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ターボ分子ポンプの回転数が定格に到達しません・・・(質量分析計+排気システム)
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・水蒸気の多い気体の測定後や、長時間保管後の再起動時には、ダイヤフラムポンプに水分が溜まり、排圧の上昇が原因でターボ分子ポンプの回転数が上昇しない場合があります。
・以下のステップに沿ってポンプ内の水分を排出させてください。
※装置の構成により手順は異なります。以下の作業はお客様の責にて実施ください。また、ご不明な点は弊社担当者までご相談ください。
1. 装置を停止して、作業に不要の装置の電源はOFFにします。
2. ターボ分子ポンプを単独で起動を停止できる場合は停止の設定をします。
(PV社の場合、通常パラメーター①-023 Motor PumpをOFF)
3. 使用しているダイヤフラムポンプにガスバラスト機能がある場合は機器のマニュアルを参照し、ガスバラストを開(手動・自動)にします。
4. ガスバラスト機能が無い場合、何かしらの手段にて大気もしくは乾燥ガスを導入(ベントバルブやガス導入バルブを流用)します。
(この場合、埃等を吸い込まないように十分な対策を実施してください。)
5. メンブレンポンプのみを動作させて15分~1時間待機します。
(機構上ターボ分子ポンプを停止できない装置の場合、ポンプ・ベントを数回繰り返します。)
6. ガスバラストを閉にします。
7. 変更した設定を元に戻し、装置を通常の手順で起動します。
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真空度が表示されません・・・(GSD350)
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・ターボ分子ポンプの回転数が定常の1500Hzに到達した状態で、フロントパネル等の真空度値が「-・100Pa」や「0.0・100Pa」で表示されている場合は、内蔵された真空計が汚れている可能性があります。
真空引き開始後30分~1時間程度お待ちいただくと表示される場合もありますが、完全な回復には真空計のオーバーホールが必要です。
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PV MassSpecの再インストール後にPasswordを要求されました・・・(QMG250,GSD350)
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「supervisor」を入力してログイン後、
メニューバーのConfiguration → Security
Authentication Method: → No Security
Audit Policy: → No audit comments
で復旧します。
注)PV MassSpecのアンインストール・再インストールはPV、PV MassSpecのセットアップファイルを使用してください。
対象機器をご所有の方はメンバーページから、マニュアル等をダウンロードいただけます。ログイン方法については販売担当者もしくは「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。